「物」を含むことわざ
全91件
朝の果物は金
あさのくだものはきん
朝食べる果物は、胃腸の働きをよくし、体の目覚めを促すため、健康によいということ。
預かり物は半分の主
あずかりものははんぶんのぬし
人から預かった物は、半分は自分の物だと思ってもかまわないということ。「預かり半分」「預かり主は半分」「預かる物は半分の主」ともいう。
阿堵物
あとぶつ
金銭のこと。「阿堵」は「この」の意。中国、晋の王衍が金銭を忌んで「この物」と呼んだという故事から。
甘い物に蟻がつく
あまいものにありがつく
甘い物に蟻が集まるように、利益にありつけそうなところには人が人が群がるということ。
余り物には福がある
あまりものにはふくがある
最後まで残っている物の中には、思いがけずよいものがあるということ。
合わせ物は離れ物
あわせものははなれもの
合わせて作ったものは、いつか離れることがあるということ。夫婦の別れなどにいう。
石の物言う世の中
いしのものいうよのなか
秘密や隠し事が漏れやすいことのたとえ。言葉を発するはずのない石が物を言うほど世の中では秘密が漏れやすいという意から。
戴く物は夏も小袖
いただくものはなつもこそで
欲の深いことのたとえ。貰える物なら、その季節に不要な綿入れでも何でもよいという意から。「貰う物は夏も小袖」ともいう。
命あっての物種
いのちあってのものだね
何事も命があるからこそできる。だから命に関わるような危険なことはなるべく避けたほうがいいということ。「物種」は物の根源の意。
いらぬ物も三年立てば用に立つ
いらぬものもさんねんたてばようにたつ
今は必要ない物でも、いつか役に立つことがあるので、むやみに捨てないほうがいいということ。今は不用の物でも、三年も取っておけば役に立つ機会があるという意から。
歌物語の歌忘れ
うたものがたりのうたわすれ
いちばん大事なことがぬけていることのたとえ。「歌物語」は和歌にまつわる話。歌物語を話しながら、歌の文句を忘れてしまったという意から。
旨い物は小人数
うまいものはこにんずう
旨い物を食べる時は小人数の方がたくさん食べられるということ。また、儲け話も小人数でやる方が、分け前が多くなってよいということ。
旨い物は宵に食え
うまいものはよいにくえ
良いことはためらわずに早くやるのが得であるということ。うまい物も一晩たつと味が落ちてしまうから、夜のうちに食べてしまったほうがいいという意から。
海の物とも山の物ともつかぬ
うみのものともやまのものともつかぬ
この先どうなるか見当がつかないこと。また、正体がわからないこと。
売り物には花を飾れ
うりものにははなをかざれ
商品は中身の良さだけでなく、見た目もきれいに飾って売るのが商売のこつだということ。
沖な物あて
おきなものあて
まだ手に入らないものをあてにすること。「沖な物」は「沖にある物」でまだ捕っていない獲物の意。「あて」は当てにする意。
奥歯に物が挟まったよう
おくばにものがはさまったよう
思ったことを率直に言わず、何か隠しているようですっきりしないようす。
落とした物は拾い徳
おとしたものはひろいどく
落し物は不注意な落とし主の責任だから、拾った人の物にしてもかまわないということ。
書いた物が物を言う
かいたものがものをいう
口約束はあてにならないが、紙に書いた物は証拠になるということ。
貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる
かしたものはわすれぬがかりたものはわすれる
人に貸したものは忘れるが、人から借りたものはつい忘れてしまう。人間は身勝手なものだというたとえ。
金が物言う
かねがものいう
金の力が絶大で、世の中のたいがいの事が金で解決できるということのたとえ。
金は浮き物
かねはうきもの
金は一ヶ所にとどまらず、人から人へめぐり渡るものだというたとえ。
金は世界の回り物
かねはせかいのまわりもの
金は人から人へと渡り回っていくものだから、今は貧しくてもそのうちよくなる時も来るということ。
金は天下の回り物
かねはてんかのまわりもの
金は人から人へと渡り回っていくものだから、いつか自分の所にも回ってくるはずだから、今は貧しくてもくよくよするなということ。
金は湧き物
かねはわきもの
金は思いがけなく入ってくることもあるから、金がなくてもくよくよするなということ。
気の利いた化け物は引っ込む時分
きのきいたばけものはひっこむじぶん
長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。気の利いた化け物は引き時を心得ているという意から。「化け物も引っ込む時分」ともいう。
食い物と念仏は一口ずつ
くいものとねんぶつはひとくちずつ
食べ物は一口ずつでもみんなで分け合って食べたほうがよいということ。また、念仏も一人が一口ずつ唱えてもご利益があるということ。「食べ物と念仏は一口ずつ」ともいう。
臭い物に蓋をする
くさいものにふたをする
人に知られて困る悪事や醜聞などを、一時しのぎで隠そうとするたとえ。容器に蓋をして悪臭が漏れないようにする意から。
下戸と化け物はない
げことばけものはない
世の中に化け物がいないように、まったく酒の飲めない人間はいないということ。
喧嘩は降り物
けんかはふりもの
喧嘩は雨などのように、いつどこで身に降りかかってくるかわからないということ。
恋の遺恨と食べ物の遺恨は恐ろしい
こいのいこんとたべもののいこんはおそろしい
色欲と食欲にかかわる恨みは根深く恐ろしいということ。
好物に祟りなし
こうぶつにたたりなし
好きな食べ物は少しくらい食べ過ぎても、からだに障らないものだということ。「好きな物に祟りなし」ともいう。
怖い物見たさ
こわいものみたさ
怖いものは、かえって好奇心を抑えられずに見たくなるということ。
今度と化け物には行き会った事がない
こんどとばけものにはいきあったことがない
「今度はきっと」などという約束があてにならないことを皮肉った言葉。
先立つ物は金
さきだつものはかね
何をするのにも、まず必要な物は金だということ。
自家薬籠中の物
じかやくろうちゅうのもの
いつでも自分の思うままににできる人・物のたとえ。また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。「自家」は自分、「薬籠」は薬箱のこと。自分の薬箱の薬のように、いつでも自分の思いのままに使えるものという意から。
舅の物で相婿もてなす
しゅうとのものであいむこもてなす
自分のふところは痛めずに、人の物を相手にふるまう、ちゃっかりとした行いのたとえ。「相婿」は姉妹の夫どうしのこと。舅のふるまいで出された料理や酒を、相婿が勧め合う意から。「舅の酒で相婿もてなす」
証文が物を言う
しょうもんがものをいう
いざという時には証文が効果を発揮するということ。
知らぬ京物語
しらぬきょうものがたり
実際には見たこともない事を、さも見てきたように話すことのたとえ。また、その話のこと。「見ぬ京の物語」「似ぬ京物語」ともいう。
姿は作り物
すがたはつくりもの
人の容姿は、化粧や衣服でどのようにでも作ることができるということ。
好きこそ物の上手なれ
すきこそもののじょうずなれ
好きであることは、上手になるための大切な条件であるということ。
好きな物に祟りなし
すきなものにたたりなし
好物は少しくらい食べ過ぎても、からだに障らないものだということ。「好物に祟りなし」ともいう。
空き腹にまずい物なし
すきばらにまずいものなし
空腹の時は、どんな食べ物でもおいしく感じるということ。
勝れて良き物は勝れて悪し
すぐれてよきものはすぐれてあし
特にすぐれているということは、悪い面も持ち合わせているから、何事も普通がいいということ。
捨て物は拾い物
すてものはひろいもの
捨てられた物は、拾った者の得だということ。
世間は張り物
せけんははりもの
世間には体裁よく見せかけているものが多々あるから気をつけろということ。また、外見をよく見せかけることが世渡りの知恵だということ。「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。「世は張り物」ともいう。
世上物騒我が身息災
せじょうぶっそうわがみそくさい
世間にどんな事が起こっても、自分の身が安全ならかまわない。世の中に無関心で利己主義な人のことをいう。
銭あれば木物も面を返す
ぜにあればきぶつもつらをかえす
どんなに冷淡な者でも、金の力にはなびくというたとえ。金銭があれば、感情がない木仏さえも振り向くという意から。
縦の物を横にもしない
たてのものをよこにもしない
ものぐさで、何もしないことのたとえ。「横の物を縦にもしない」ともいう。
天地は万物の逆旅
てんちはばんぶつのげきりょ
この世のすべてのものは、うつろいやすくはかないということのたとえ。「逆旅」は宿屋のことで、天地はあらゆる生物が生まれてから死ぬまでのわずかな間に泊まる宿屋に過ぎないという意から。
ない物食おう
ないものくおう
十分にある物は欲しがらず、ないとわかっている物をほしがること。わがままを言うこと。「ない物食おうが人の癖」ともいう。
長い物には巻かれろ
ながいものにはまかれろ
力のある者には反抗せずに、おとなしくしているのが得策だということ。
二度聞いて一度物言え
にどきいていちどものいえ
人の言うことは何度聞き直してでもよく聞き、自分は口数を少なく余計なことを言わないほうがよいということ。
猫の額にある物を鼠が窺う
ねこのひたいにあるものをねずみがうかがう
自分の実力を考えず、大それたこと、無謀なことをしようとすることのたとえ。猫のそばにある物を、鼠がねらって様子を窺うという意から。
嚢中の物を探るが如し
のうちゅうのものをさぐるがごとし
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。「嚢中」は袋の中。「袋の物を探るが如し」ともいう。
残り物には福がある
のこりものにはふくがある
最後まで残っている物の中には、意外によいものがあるということ。
腹に一物
はらにいちもつ
心に何かたくらみを抱いていること。「胸に一物」ともいう。
一口物に頬焼く
ひとくちものにほおやく
ちょっとしたことに手を出して、意外な失敗をすることのたとえ。一口で食べられるようなわずかな物を食べて、口の中をやけどするという意から。
夫婦は合わせ物離れ物
ふうふはあわせものはなれもの
夫婦はもともと他人どうしがいっしょになったものだから、別れることがあっても仕方がないということ。
忘憂の物
ぼうゆうのもの
酒のこと。憂いを忘れさせてくれる物という意から。
眉唾物
まゆつばもの
疑わしいもの。また、信用できないこと。「眉唾」ともいう。
見ぬ京の物語
みぬきょうのものがたり
実際には見たこともない事を、いかにも見てきたように話すことのたとえ。また、その話のこと。「知らぬ京物語」「似ぬ京物語」ともいう。
見ぬ物清し
みぬものきよし
見なければ、汚い物事も気にせずにいられるということ。「見ぬ事清し」ともいう。
胸に一物
むねにいちもつ
心中、ひそかにたくらみを持つこと。「腹に一物」ともいう。「腹」は心の中・本心の意。
無用の長物
むようのちょうぶつ
あっても何の役に立たず、かえって邪魔になるもののたとえ。「長物」は長すぎて用をなさないものの意から、無駄なもののこと。
名物に旨い物なし
めいぶつにうまいものなし
名物と言われている物には、案外旨い物がない。名と実は必ずしも一致しないということ。
目は口ほどに物を言う
めはくちほどにものをいう
目の表情だけでも、口で話すのと同じくらい、相手に気持ちを伝えることができるということ。
持ち物は主に似る
もちものはぬしににる
持ち物には持ち主の性格や好みが表れるので、持ち物を見ればその持ち主の人柄が想像できるということ。
物言う花
ものいうはな
美人のたとえ。言葉を話す美しい花の意。
物言えば唇寒し秋の風
ものいえばくちびるさむしあきのかぜ
余計なことを言うと、思いがけない災難を招くということ。松尾芭蕉の句。
物がなければ影ささず
ものがなければかげささず
原因がなければ結果は起こらないというたとえ。物体がなければ影はできない意から。
物盛んなれば即ち衰う
ものさかんなればすなわちおとろう
何事も盛りに達したら必ず衰え始める。いつまでも盛んな時は続かないということ。
物には時節
ものにはじせつ
ものごとをするには、それにふさわしい時機があり、それを外すと成功しないということ。
物には始めあり終わりあり
ものにははじめありおわりあり
何事にも必ず始めと終わりがあるから、先にすべき事とあとでする事を正しく見分けなければならないということ。
物は言いなし事は聞きなし
ものはいいなしことはききなし
ものは言い方によって、相手に良くも悪くも受け取られる。また、聞き手の聞き方次第で受け取る感じも違ってくるということ。
物は言い残せ菜は食い残せ
ものはいいのこせ さいはくいのこせ
言葉と食事は少し控えめな方がいいということ。言葉が過ぎてしまうことがあるから、思ったことを全部言い尽くさないほうがいいし、ごちそうされたらおかずを少し残すほうが品がいいという意から。
物は言いよう
ものはいいよう
ものは言い方次第で、相手に良くも悪くも受け取られるということ。
物は祝いがら
ものはいわいがら
縁起が悪いとされていることでも、やり方や言い方を変えれば、めでたく祝えるようになるということ。
物は考えよう
ものはかんがえよう
ものごとは考え方ひとつで良くも悪くもなるということ。
物は相談
ものはそうだん
困った時は一人で悩まず誰かに相談すれば、案外名案が浮かびうまくいくものであるということ。また、相談や頼み事をするときに使う前置きのことば。
物は試し
ものはためし
なにごとも実際にやってみなければ成否はわからないので、最初から諦めずに一度はやってみるべきだということ。
物ははずみ
ものははずみ
物事は、その場の勢いや成り行きによって起こり、思いがけない方向に進むものだということ。
物も言いようで角が立つ
ものもいいようでかどがたつ
ものは言い方ひとつで相手の感情をそこなうことがあるから、言葉遣いに気をつけたほうがいいということ。
貰い物に苦情
もらいものにくじょう
勝手で貪欲なさまのたとえ。人から貰った物にまで苦情をいうことから。
貰う物は夏も小袖
もらうものはなつもこそで
きわめて欲の深いことのたとえ。貰える物なら、その時期に不要な綿入れでも何でもよいという意から。「戴く物は夏も小袖」ともいう。
薬籠中の物
やくろうちゅうのもの
自分の思うままににできる人・物のたとえ。また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。「薬籠」は薬箱のこと。薬箱の薬のように、自分の思いのままに使えるものという意から。「自家薬籠中の物」ともいう。
尤物
ゆうぶつ
ずばぬけてすぐれたもの。特に美しい女性を言う。「尤」はすぐれている意。
横の物を縦にもしない
よこのものをたてにもしない
面倒くさがって、何もしないことのたとえ。「縦の物を横にもしない」ともいう。
世は張り物
よははりもの
世の中には、体裁よく見せかけているものが多々あるということ。また、見栄を張ることが世渡りの知恵だということ。「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。「世間は張り物」ともいう。
若い時旅をせねば老いての物語がない
わかいときたびをせねばおいてのものがたりがない
若い時に旅をしておかなければ、年をとってから人に話す話題がないということ。
我が物と思えば軽し笠の雪
わがものとおもえばかるしかさのゆき
つらいことも苦しいことも、自分のためだと思えば苦にならないものだというたとえ。笠に降り積もる重い雪も自分のものだと思えば軽く感じられるという意から。江戸時代の俳人、宝井其角の句「我が雪と思へば軽し笠の上」から。