「中」を含むことわざ
全44件
麻の中の蓬
あさのなかのよもぎ
善人と付き合えば、その人に感化されて誰もが善人になるということ。曲がりやすい蓬のつるも、麻の中で育てばまっすぐ伸びるという意から。「麻につるる蓬」ともいう。
中らずと雖も遠からず
あたらずといえどもとおからず
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。「中らず」は「当たらず」とも書く。
当て事と越中褌は向こうから外れる
あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる
当てにしていた事は、相手の都合などで外れることが多いというたとえ。「当て事」は当てにしている事。「向こう」は身体の前、また、相手のこと。当てにしていた事は、越中褌と同じように、向こうから外れるという意から。「当て事は向こうから外れる」ともいう。
後先息子に中娘
あとさきむすこになかむすめ
子どもを持つなら三人で、最初と最後は男、真ん中は娘が理想だということ。
石の物言う世の中
いしのものいうよのなか
秘密や隠し事が漏れやすいことのたとえ。言葉を発するはずのない石が物を言うほど世の中では秘密が漏れやすいという意から。
井の中の蛙大海を知らず
いのなかのかわずたいかいをしらず
他に広い世界があることを知らずに、自分の周りの狭い見識や知識にとらわれている人を嘲笑する言葉。小さな井戸にすむ蛙は、大きな海があることを知らないという意から。
魚の釜中に遊ぶが如し
うおのふちゅうにあそぶがごとし
危険が迫っていることも知らずにのんきにしていることのたとえ。やがて煮られることも知らずに魚が釜の中を泳ぎまわっていることから。「釜中の魚」ともいう。
海中より盃中に溺死する者多し
かいちゅうよりはいちゅうにできしするものおおし
海で溺れて死ぬ人より酒の飲みすぎで死ぬ人の方が多いということ。
火中の栗を拾う
かちゅうのくりをひろう
他人の利益のために危険をおかすことのたとえ。猿におだてられた猫が、いろりの中で焼けている栗を拾おうとして大やけどをしたというラ‐フォンテーヌの寓話から。
眼中人なし
がんちゅうひとなし
他人のことは考えず、思うままに振る舞うこと。人を人とも思わないこと。
胸中成竹あり
きょうちゅう せいちくあり
事をするにあたって、あらかじめ成算があるというたとえ。胸中に、絵として完成した竹を思い浮かべて描きはじめるという意から。
錐の嚢中に処るが如し
きりののうちゅうにおるがごとし
すぐれた人は、多くの人の中にいても自然とその才能が現れるというたとえ。袋の中にの錐は、その鋭い先端が外に飛び出ることから。
壺中の天地
こちゅうのてんち
俗世間から離れた別世界のたとえ。また、酒を飲んで俗世間のことを忘れる楽しみのたとえ。中国後漢の費長房が、薬売りの老人が商売が終わると壺の中に入るのを見て一緒に入れてもらったところ、りっぱな建物があり、美酒や旨い肴が並んでいたので、ともに飲食して外に出たという故事から。
コップの中の嵐
こっぷのなかのあらし
狭い範囲内で起こった、大局には何の影響もない騒ぎのたとえ。
山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し
さんちゅうのぞくをやぶるはやすくしんちゅうのぞくをやぶるはかたし
山中にいる賊を討伐するのは簡単だが、心の中の邪念に打ち勝つのは難しいというたとえ。
山中暦日なし
さんちゅうれきじつなし
山の中で俗世間を離れて暮らしていると、月日の経つのも忘れるということ。「暦日」は、月日の意。
三人知れば世界中
さんにんしればせかいじゅう
人が三人集まる所で話したことは、秘密にするのはむずかしく、世界中に知れ渡ってしまったのと同じことになるというたとえ。
四月の中の十日に心なしに雇われるな
しがつのなかのとおかにこころなしにやとわれるな
四月の中旬頃は日が長いので、思いやりのない人に雇われるといつまでも働かされるので気をつけよということ。また、その頃の日中の時間が長いことをいう。
自家薬籠中の物
じかやくろうちゅうのもの
いつでも自分の思うままににできる人・物のたとえ。また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。「自家」は自分、「薬籠」は薬箱のこと。自分の薬箱の薬のように、いつでも自分の思いのままに使えるものという意から。
獅子身中の虫
しし しんちゅうのむし
組織などの内部にいながら害を与える者や、恩を仇で返す者のたとえ。獅子の体内に寄生して、恩恵を受けていながらついには獅子に害を加えて死に至らせる虫の意から。
死中に活を求める
しちゅうにかつをもとめる
助かる望みがない絶望的な状態の中で、なおも必死に活路を探し求めること。「死中に生を求める」ともいう。
掌中の珠
しょうちゅうのたま
もっとも大切にしているもの。特に最愛の子ども。「珠」は尊いものの意で、いつも自分の手の中にある大切なものということから。
心中より饅頭
しんじゅうよりまんじゅう
見栄や体裁よりも、実際の利益を重んじるべきだということ。義理立てして心中するより、饅頭で腹を満たしたほうがいいということから。
水中に火を求む
すいちゅうにひをもとむ
いくら求めても得ることができないこと。
たとえ火の中水の中
たとえひのなかみずのなか
どんなに大変な目に遭ってもかまわないということ。
壷の中では火は燃えぬ
つぼのなかではひはもえぬ
壷の中では火が燃えないように、人は狭い窮屈な場所では十分な働きができない。仕事をするには、それなりの環境が必要だというたとえ。
泥中の蓮
でいちゅうのはす
汚れた環境の中でも、それに染まらず清らかに生きていることのたとえ。汚い泥の中でも蓮は清らかな花を咲かせることから。
冬至冬中冬始め
とうじふゆなかふゆはじめ
冬至は暦の上では冬の真ん中だが、実際は冬至から本格的に寒くなり、これから冬が始まるように感じられるということ。
遠くの火事背中の灸
とおくのかじ せなかのきゅう
遠くの大事件より自分に関係する小事のほうが気にかかるというたとえ。
嚢中の錐
のうちゅうのきり
すぐれた人は、大衆の中にいても自然とその才能が現れるというたとえ。袋の中にの錐は、その鋭い先端が外に飛び出ることから。
嚢中の物を探るが如し
のうちゅうのものをさぐるがごとし
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。「嚢中」は袋の中。「袋の物を探るが如し」ともいう。
杯中の蛇影
はいちゅうのだえい
疑えば、なんでもないことにまで神経を悩まし苦しむことのたとえ。杯に映った弓の影を蛇と見間違え、蛇を飲んだと思い込んで病気になったが、それが間違いだとわかると、たちまち治ったという故事から。
白玉楼中の人となる
はくぎょくろうちゅうのひととなる
文人が死ぬことのたとえ。「白玉楼」は文人が死後に行くといわれる白玉造りの高楼のことで、その中の人となるという意から。
万緑叢中紅一点
ばんりょくそうちゅうこういってん
多数の男性の中に、女性が一人華やかに混じっていることのたとえ。また、多くのものの中で、ただ一つ際立っているもののたとえ。「万緑」は見渡す限り一面の緑、「叢中」はくさむらの中に意。見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。略して「紅一点」ともいう。
人ある中に人なし
ひとあるなかにひとなし
世の中に人間はたくさんいるが、役に立つ立派な人間はなかなかいないということ。
釜中の魚
ふちゅうのうお
危険が迫っていることも知らずにのんきにしていることのたとえ。また、死が迫っていることのたとえ。やがて煮られることも知らずに魚が釜の中をのんびり泳いでいることから。「魚の釜中に遊ぶが如し」ともいう。
下手の真ん中上手の縁矢
へたのまんなか じょうずのふちや
物事は、時のはずみで意外な結果になることがあるというたとえ。下手な人が的の真ん中を射抜いたり、上手な人が的を外して矢が縁に当たったりするという意から。
忙中閑あり
ぼうちゅうかんあり
どんなに忙しい最中でも、わずかな暇はあるものだということ。
薬籠中の物
やくろうちゅうのもの
自分の思うままににできる人・物のたとえ。また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。「薬籠」は薬箱のこと。薬箱の薬のように、自分の思いのままに使えるものという意から。「自家薬籠中の物」ともいう。
欲の世の中
よくのよのなか
世の中は全て欲得で動いているということ。
世の中には月夜ばかりはない
よのなかにはつきよばかりはない
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の中は九分が十分
よのなかはくぶがじゅうぶ
世の中はすべてが自分の思い通りにいくとはかぎらないから、望んだことの九分が叶ったら満足すべきだということ。
世の中は年中三月常月夜嬶十七俺二十負わず借らずに子三人
よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ かかあじゅうしちおれはたち おわずからずにこさんにん
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。
世の中は三日見ぬ間の桜かな
よのなかはみっかみぬまのさくらかな
世の中の移り変わりが激しいことを、桜の花があっという間に散ってしまうことに掛けて言った言葉。もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな」からで、三日外出しなかったら桜の花が咲きそろっているという意だったもの。単に「三日見ぬ間の桜」ともいう。